大人になってからバイクの免許を取られた方や、久しぶりにリターンされた方とお話ししていると、「バイクは楽しいけれど、転倒がとにかく怖くて…」というお悩みをよく伺います。
「体力も落ちてきたし、もし転んで怪我をしたら仕事に響くかもしれない」
「せっかく憧れの大型バイクを買ったけれど、重くて倒してしまいそうで不安…」
そんなふうに感じていらっしゃるかもしれませんね。でも、ご安心ください。
そのように感じるのは、あなたがご自身の身体と生活を大切に考え、リスクを冷静に判断できている立派な大人だからこそなのです。
若い頃のような勢いだけで走らないことは、安全なライディングにおいてとても大切な素質ですよ。
恐怖心と上手く付き合い、リラックスするためのヒント
恐怖心は決して悪いものではありません。「転びたくない」という気持ちが、慎重な運転に繋がるからです。ただ、恐怖心が強すぎるとバイクに乗るのが億劫になってしまいますよね。
今回は、そんな「転倒への恐怖」と上手く付き合い、心を少し軽くするためのヒントを一緒に探していきましょう。
恐怖心が体に与える影響を知りましょう
「転ぶかもしれない」と強く思うと、無意識のうちに肩や腕にギュッと力が入り、視線が手元や足元に落ちてしまうことはありませんか?
人間の体は緊張すると筋肉がこわばるようにできています。バイクは、ライダーの視線に向かって進む乗り物ですし、ハンドルに力が入っているとバランスを取りづらくなってしまいます。
「あ、今ちょっと緊張しているな」と気づいたら、まずは深く深呼吸をしてみるのがおすすめです。
そして、ほんの少しだけ視線を遠くに向けてみてください。それだけでも自然と肩の力が抜け、バイクがふらつきにくくなるのを感じられるかもしれません。
「いつでも安全に止まれる」という安心感を育てましょう
転倒への恐怖を和らげるには、「何かあっても、自分で確実にコントロールして止まれる」という自信を持つことが近道だったりします。
無理にスピードを出して曲がる練習をする必要はありません。まずは、見通しの良い安全な直線で、「目標を決めて、スムーズに止まる」という練習をゆっくり繰り返してみるのも一つの手ですよ。両足をついて安全に止まれる感覚が身につくと、「いざとなれば止まればいいんだ」という心のゆとりが生まれてきます。ご自身のペースで、ゆっくり感覚を掴んでいってくださいね。
心のゆとりを生む、お守りのようなアイテムたち
「怖い」と感じる気持ちに蓋をする必要はありません。道具をうまく活用し、ひとつずつ不安を安心に変えていけば良いのです。
プロテクターは、身体だけでなく心も守ってくれます
万が一転んでしまった時の怪我のリスクを減らすためにも、プロテクター(防具)の着用をおすすめします。特に、胸部や肘、膝、そして背中を守るプロテクターはとても重要です。
最近は、普段着の下にこっそり着込める薄くて柔らかいタイプのインナープロテクターもたくさん販売されています。「これをつけているから、少し転んでも大丈夫かもしれない」という安心感は、緊張をほぐす何よりのお守りになってくれますよ。
バイクを守るパーツで、心理的なハードルを下げましょう
「バイクに傷がついたらショック…」というお気持ちも、恐怖心に繋がりますよね。それなら、あらかじめバイクを守るパーツをつけておくのも良い方法です。
エンジンガード(金属製のパイプ枠)や、スライダー(転倒時に車体を滑らせてダメージを減らす樹脂製のパーツ)を取り付けておくと、万が一倒してしまった時の車体へのダメージを大きく減らせます。「これがあるから、万が一倒しても被害は少ない」と思えるだけで、取り回しやUターンの時のプレッシャーがずいぶんと軽くなるはずです。
足つきの不安を減らす工夫も効果的です
「足が地面にしっかり着かない」という不安は、転倒への恐怖を大きくさせます。
厚底のライディングブーツを選んでみたり、シートのスポンジを少し削って足つきを良くする「アンコ抜き」という加工をしてみるのも効果的ですよ。両足のつま先しか届かなかったのが、足の裏が半分つくようになるだけで、安心感は劇的に変わります。
