「せっかく憧れの大型バイクを手に入れたのに、少し走っただけで肩や腰が痛くなってしまう」
「昔は平気だったのに、今は1時間も乗るとクタクタになって、バイクに乗るのが少しおっくうに感じてしまう……」
もし今、あなたがそんな風に感じていらっしゃるとしたら、「自分はもう体力が落ちてしまったのかな」と落ち込む必要はまったくありません。
久しぶりのバイクや、大きくて重いバイクを前にすると、どうしても「転ばないようにしなきゃ」「しっかり支えなきゃ」と無意識のうちに力が入ってしまうものです。その緊張感こそが、疲れの大きな原因かもしれませんね。
今回は、そんな力みをふっと手放して、ご自身のペースでゆったりと長く走れる「疲れにくい乗り方」について、一緒におさらいしてみましょう。
疲れを和らげる、ふわりとした乗り方と練習方法
体力の消耗を防ぐには、何よりもまず「無駄な力を抜くこと」が大切です。少しの意識で、帰り道の疲労感が驚くほど変わるかもしれません。
腕の力は抜いて、手首はふんわりと
バイクの運転中、気づくとハンドルをギュッと強く握りしめていませんか? ハンドルに体重がかかってしまうと、手首や肩、そして首にまで大きな負担がかかってしまいます。
ハンドルを握る時は、生卵を優しく包み込むようなイメージで、ふんわりと添えるだけで十分ですよ。そして、腕には少しゆとり(ゆったりとした曲がり)を持たせてみてください。これだけで、路面からのガタガタとした衝撃を腕がサスペンションのように吸収してくれて、上半身の疲れがグッと和らぐはずです。
下半身でバイクと仲良くなる
では、上半身の力を抜いた分、どうやって体を支えればいいのでしょうか。それは「下半身」です。
バイクのタンク(燃料が入っている部分)を、両膝で優しく挟み込んでみてください。専門用語では「ニーグリップ」と呼びますが、決して力一杯締め付ける必要はありません。内ももに軽く寄り添わせる程度の感覚で大丈夫です。
下半身でバイクと一体になる感覚がつかめると、自然に上半身の力が抜け、重いバイクもグラグラせずに安定して走れるようになりますよ。
無理のない練習のすすめ:まずは「深呼吸」から
いきなり完璧な姿勢を作ろうとしなくても大丈夫です。まずは走りながら、信号待ちのたびに「ふぅーっ」と意識して深呼吸してみるのも一つの手ですよ。息を吐くときに、肩をストンと落としてみましょう。
「疲れる前に休む」を合言葉に、40分〜50分走ったら、見晴らしの良い場所でバイクを停めて、温かいコーヒーでも飲みながらストレッチしてみてくださいね。ご自身のペースで、ゆっくりと体を慣らしていきましょう。
道具の力を借りて、もっと楽に走りましょう
乗り方のコツに加えて、少しの工夫や装備の見直しで、疲れを劇的に軽減できることもあります。頼れるものにはどんどん頼って、快適なツーリング環境を作ってみませんか?
風の抵抗を和らげる「スクリーン(風防)」
バイクは常に風を体に受けながら走る乗り物ですが、この「風圧」は想像以上に体力を奪っていきます。もしご自身のバイクにスクリーンがついていなければ、後付けの小さなスクリーンを装着してみるのもおすすめです。胸元に当たる風が減るだけで、高速道路や長距離の運転が嘘のように楽になるかもしれません。
お尻や腰をいたわる「シートクッション」
「どうしてもお尻が痛くなってしまう」という方には、バイクの座席の上に敷く後付けのゲル状クッションなども市販されています。長時間の振動を優しく吸収してくれるので、腰への負担も和らぎますよ。足つき(地面への足の届きやすさ)に不安がなければ、ぜひ試してみてくださいね。
首や肩を軽くする「軽量ヘルメット」
ヘルメットの重さも、首や肩の疲労に直結します。もし今お使いのヘルメットが少し重いなと感じるようであれば、最近の「軽量モデル」を試着してみるのも良いかもしれませんね。持ち上げた時はわずかな違いでも、何時間も被り続けると、その差はとても大きく感じられるはずです。
ハンドルの位置を少しだけ手前に
「どうしても腕が突っ張ってしまう」という場合は、バイク屋さんで相談して、ハンドルの位置を少し手前や高めに調整する部品(ハンドルアップスペーサーなど)を取り付けてもらうこともできます。無理のない自然な姿勢が作れれば、取り回しもぐっと安心できるようになりますよ。
バイクは、風を感じながら四季の移ろいを楽しめる素晴らしい乗り物です。「早く上達しなきゃ」「遠くまで走らなきゃ」と焦る必要はどこにもありません。
疲れたら休めばいいですし、近所の美味しいパン屋さんまで往復するだけでも立派なツーリングです。どうかご自身のペースで、無理なく、安全に、これからのバイクライフを楽しんでくださいね。
