今回のテーマは「足つきと重さの見直し」です。
憧れのバイクを手に入れたものの、いざ跨ってみると「地面に足が届かなくて怖い」「重くて支えきれないかもしれない」と、ふと不安がよぎることはありませんか?
それは決して、あなたの力が足りないからでも、年齢のせいでもありません。バイクを楽しむために、誰もが一度は通る大切なステップなのです。
1.憧れのバイクが「重荷」に感じていませんか?
せっかく免許を取ったのだから、あるいは数十年ぶりに戻ってきたのだからと、排気量の大きなバイクや、存在感のある重厚なモデルを選ばれる方は多いものです。その「格好良さ」は、何物にも代えがたい喜びですよね。
しかし、実際に走り出してみると、信号待ちのたびにフラフラして冷や汗をかいたり、ガレージから出すだけで息が切れてしまったり……。
「自分にはまだ早かったのかな」「このまま乗り続けられるだろうか」と、楽しみだったはずのツーリングが、いつの間にか「プレッシャー」に変わってしまうこともあるかもしれません。
まずは、そんな自分を責めないであげてください。
40代から60代は、20代の頃とは体力も違えば、守るべき生活も違います。「怖い」と感じる力は、自分を守るための大切なセンサーです。その不安を無視するのではなく、優しく受け止めることから始めてみましょう。
2.視点を変えて「足つき」と「重さ」に向き合う
バイクの重さや足つきの悪さは、ちょっとした意識の変化や練習で、ずいぶんと軽く感じられるようになるものです。無理のない範囲で、以下のことを試してみてはいかがでしょうか。
バイクを「力」ではなく「重心」で捉える
私たちはついつい、腕の力でバイクを支えようとしてしまいがちです。ですが、バイクには「自立しようとするバランスの点」があります。
直立しているバイクは、指一本で支えられるほど軽い瞬間があるのです。
練習として、エンジンをかけずに広い平地でバイクを垂直に立てて、その「軽くなるポイント」を体感してみるのも一つの手です。
無理に踏ん張るのではなく、バイクが自然に立とうとするのを助けてあげる、そんなイメージを持つだけで、心の負担がスッと軽くなるかもしれません。
「片足」で支える勇気を持ってみる
両足を地面につけようとすると、どうしてもお尻がシートの真ん中に固定され、どちらの足も「つま先立ち」になりがちです。これが一番不安定な状態です。
あえてお尻を少しだけ左右どちらかにずらし、「片足の裏をベタッと地面につける」ようにしてみてください。
「両足がつかないとダメだ」という思い込みを少し手放すだけで、驚くほどバイクとの一体感が増し、安心感が生まれることがあります。
3.不安を「安心」に変える装備と工夫
技術だけでなく、物理的な「道具の力」を借りることも、大人のスマートな選択です。頑張りすぎず、便利なものに頼ってみるのも素敵なことですよ。
足つきをサポートするアイテムの活用
- 厚底のライディングブーツ: 最近は、操作性を損なわずにソールを数センチ厚くしたブーツも多く販売されています。このわずかな数センチが、驚くほどの安心感をもたらしてくれます。
- シートの加工(アンコ抜き): シートのスポンジを少し削るだけで、足が地面へ真っ直ぐ降りるようになります。専門のショップに相談してみるのもいいですね。
「お守り」としてのエンジンガード
「もし倒してしまったら……」という恐怖心は、体を硬直させます。
そんなときは、エンジンガードやスライダーを装着することを検討してみてください。万が一、立ちゴケしてしまっても「バイクも自分も守られる」という安心感があるだけで、心に余裕が生まれます。
「ダウンサイジング」は決して挫折ではありません
もし、どうしても重さがストレスで、バイクに乗ること自体が億劫になってしまったら。
そんな時は、少し軽いモデルや、足つきの良いバイクに乗り換えることも、一つの前向きな選択肢です。
「大きなバイクに乗ること」が目的ではなく、「バイクのある人生を楽しむこと」が目的ですから。軽やかなバイクで風を感じる喜びを再発見するのも、とても豊かなバイクライフの形ですよ。
