「念願の免許を取って、ずっと憧れていたバイクを手に入れた!」
その時の喜びや高揚感は、きっとかけがえのないものだったと思います。でも、いざご自宅のガレージに収まったその立派な愛車を前にして、「重くて動かすのが少し怖いな」「もし倒してしまったらどうしよう…」と、ふと不安を感じることはありませんか?
ツーリングの朝、バイクを引っ張り出すだけで一苦労。そのせいで、せっかくの休日で天気も良いのに、乗るのが少し億劫になってしまっている……。もしそうだとしても、ご自身を責める必要はまったくありませんよ。
大人になってからバイクを始められた方や、久しぶりにリターンされた方の多くが、同じような悩みを抱えていらっしゃいます。排気量が大きく立派なバイクだからこそ、その重さや大きさが知らず知らずのうちに心のプレッシャーになってしまうのは、ごく自然なことなのです。
「怖いな」と感じるのは、あなたが安全運転を心がけている証拠でもあります。あなただけではありませんから、まずは安心してください。
重いバイクと上手に付き合う、無理のないコツと練習法
重いバイクの取り回し(エンジンをかけずに手で押して歩くこと)に恐怖心を感じる最大の理由は、「バランスを崩したら重くて支えきれない」という不安からです。
この不安を少しでも和らげるために、まずは「腕の力だけで支えようとしない」ことを意識してみるのも一つの手ですよ。バイクのタンク部分を腰骨のあたりに軽くピタッと寄りかからせるようにすると、体全体で重さを支えられるようになり、ふらつきにくくなります。
また、動かす時は足元を見るのではなく、進みたい方向へしっかりと視線を向けるだけでも、不思議とバイクは安定してくれます。
練習する時は、ご自身のペースで大丈夫です。いきなり狭い場所でUターンなどをしようとせず、まずは平らで安全な駐車場などで、ほんの数メートルだけ前に押して歩く練習から始めてみてはいかがでしょうか。焦らず、少しずつバイクの重さに慣れていくことが大切です。
心の余裕を生む、ちょっとした装備と工夫
技術や慣れだけで乗り越えようとせず、道具の力を借りて不安を減らすのも素晴らしい工夫です。
たとえば、「エンジンガード」といった、万が一バイクを倒してしまった時に車体を守ってくれるパーツをつけてみるのもおすすめです。「もし倒しても、バイクが傷つきにくいし、空間ができるから引き起こしやすい」と思えるだけで、心の負担はふっと軽くなるかもしれません。
また、足つきに不安がある場合は、靴底が少し厚めでしっかりとしたライディングブーツを選んだり、シートのクッションを少し薄く加工(あんこ抜きと呼ばれます)して座面を下げるのも効果的です。両足が地面にしっかり届くという安心感は、重いバイクを扱う上で何よりも心強い味方になってくれますよ。
長く楽しむために。「軽いバイク」という優しい選択肢
色々と工夫や練習を重ねてみても、どうしても「重さが気になって、乗る度に疲れてしまう」「車庫から出すのがやっぱり億劫だ」と感じるようであれば、無理をして今のバイクに乗り続ける必要はありません。
バイクは本来、風を感じて心を解放してくれる、とても楽しい乗り物です。もし、今のバイクの重さがその楽しさを上回るプレッシャーになっているのであれば、思い切って少し軽くて扱いやすいバイクに乗り換える(一度手放してみる)ことも、長くバイクを楽しむためのとても賢い選択肢ですよ。
「せっかく買った大型バイクを手放すなんて、見栄えも良いのにもったいない」と思われるかもしれませんが、ご自身の体力や用途にぴったりと寄り添うサイズのバイクを選ぶことは、決して「後退」ではありません。むしろ、スニーカーのように気軽に乗れるバイクに出会うことで、乗る機会がグッと増え、新しい景色をもっとたくさん見に行けるようになるかもしれませんね。
もし、今の愛車が少し重すぎると感じているなら、一度買取査定に出して現在の価値を確かめてみたり、軽くて足つきの良いモデルを比較検討してみたりしてはいかがでしょうか。ご自身の心と体に無理のない、本当に心から楽しめる一台を見つけるきっかけになれば、私としてもとても嬉しく思います。
